好きと嫌いの向こう側にある前世
セッションルームの窓から、江の島の展望灯台が見えます。
距離が近いわけではないのですが、
その窓の正面にある数多くの家々の
屋根の向こうのほうに、はっきりと見えるのです。
今は華麗にライトアップされており、
通常の柔らかい暖色の光と共に、明るく輝いています。
セッションルームにお越しになる方にこの灯台のことをお話すると、
その反応はさまざまです。
期待していたよりもクール、
あるいはほとんど関心がないような反応が返ってくる時、
自分が灯台に寄せている関心と愛着に、逆に気付かされることになります。
海に近い場所で育ち、幼い頃から身近にあった灯台ですが、
なぜ灯台の光にこれほど惹かれるのか?…と考えてみると、
特に思い当たることはありません。
およそ好きなものや嫌いなものに、はっきりとした理由などは
存在しないのかもしれません。
理屈抜きに好き…というのは、恋愛や結婚においても同様です。
やさしいから、頼れそうだから、安心できるから、という理由や
外見がタイプだったから、という理由も、
もしかすると後からマインドで考え出したものかもしれません。
前世療法・過去生セラピーでは、
今生、理由もなく何か(誰か)に惹かれるということの奥に、
前世・過去生の出来事が在る…と考えています。
好き嫌いには、今、思い当たらないとしても、
やはり何らかの理由やきっかけが在ったと考えるわけです。
こうした好悪の感情は、ある程度までに収まっているのならば
特に問題にはならないのですが、
時に、日常生活が翻弄されるほどの圧倒されるような感情もあるでしょう。
何が好きで、何が嫌いであるかは、
その方の魂だけが知っている、前世の記憶(?) のようなものから
潜在意識を通じて、ふいにやってきます。
それは、ご本人にとっては当たり前のことなのでしょうが、
よく考えてみたら、不思議なことです。
こうした好きや嫌いの集積が、その方の個性やカラーとなって
周囲の人々に、その方らしさを印象付けているのです。
目には見えない魂が経てきた幾つもの転生の名残を
私たちは、その中に垣間見ることができるかのようです。
前世療法のセッションをさせていただくと、
こうした深いレベルのその方(の魂)らしさに触れるような体験となります。
目に見え、声を聴くことができるその方の奥に、
もっと多彩でつかみどころのない広大な何かが見え隠れするのは、
稀有であるうえにたいへんエキサイティングなことであり、
畏敬の念すら覚えることになるのです。
2014年01月12日