前世・過去生を魂が振り返る時 カルマとダルマ
カルマには、さまざまな捉え方があると思いますが、
前世療法においては、その転生でやり残したことや後悔していること、
心残り、罪悪感、自責の念などによって
自ら作ったものという考え方を採ります。
カルマは否定的なものばかりではありません。
深い絆、愛着、思いやり、感謝、人助け、善行など
ポジティブなカルマ(=ダルマ)もあります。
いずれにしても、未完了の思いや出来事を、完了に向かわせたい、
バランスを取りたいという衝動によって、
引き起こされる感情や出来事があるということになるでしょう。
前世療法 過去生セラピーをさせていただいていると、
こうしたカルマ・ダルマによってどんなことが起こるのか、
その作用が垣間見え、時には明確に現れていることに気付かされます。
何か恐ろしいことであるという印象を持たれやすいカルマ。
その原動力となっているのは、
その方がご自分で感じたことや考えたことなのですが、
死を迎えて体を離れた後、魂の状態で振り返ってみると、
生前よりもよりわかりやすいと感じられることでしょう。
これまでの前世療法セッションを振り返ってみますと、
生きて生活している状態では、社会通念や人格自我として、
さまざまな信念や想念、価値観に基づいた
考え方をしていることが理解されます。
それに対して、魂となった状態は、まさにエゴを離れて、無色透明、
より高い次元から、広い視野で全体を見渡し、
過去や未来をも含めて総体的にとらえる客観的な振り返りとなるのです。
たとえば、さきほどまで相手を憎悪し、世の中を恨み、
自分の運命を呪っていた人が、亡くなって魂の状態になると、
そのような低次の思いに翻弄された生き方を客観視でき、
「本当はこうなるはずではなかったのに…」
「無意味なことに人生の時間を費やしてしまった…」と振り返ります。
そして、もう一度やり直したいと心から望み、
次の転生に向けて計画を立てる際に、注意深く盛り込むのです。
再度やり直したいことは何であるかといえば、
恨みや憎しみから解放された生き方を選択するという場合もあれば、
憎んでいた相手に対する復讐を今度こそは遂げるという場合もあります。
多くの場合は、後者のようなカルマの作用を何転生か繰り返しながら、
どこかの時点において、異なる生き方を選択する方向へと
向かうことになるでしょう。
カルマを生み出す人の感情の奥深さとパワーには、
いつも驚かされ、考えさせられます。
良いことも良くないことも、その根底に流れているのは、
その方らしく表現されている人間的な感情です。
身近なところで起こっている出来事には、
こうした感情の流れを感じ取ることが比較的容易に出来ます。
しかしながら、我が身に起こっている不可解な体験、納得のいかない出来事は、
よくわからないものとして、いつまでも心に在り続けるかもしれません。
前世療法・過去生セラピーによって、なぜそうなっているのか、
それにはどんな意味があるのかを探求すると、
意識に上ることのないカルマ・ダルマの諸相が垣間見えて、
魂が選択した計画の一端に触れることが出来ます。
今年は、こうした探求のための前世療法を
数多くさせていただきました。
前世・過去生などは既に終わったことだから、
今さら訪れても仕方がない…
それよりも、前を向いて生きていきたい…という姿勢もあるでしょう。
が、過去から現在に及んでいる見えない作用や影響というものは確かに在り、
私たちの日常生活には、そうしたカルマ・ダルマの引力や流れ、
エネルギー作用が、想像している以上に関わっていることを
知っていただければと思います。
2015年12月27日