葛藤を抱えて生きる 前世療法と人生の計画
今日は早く帰宅して家族とゆっくり過ごそうと思っていたのに、
ちょっとした仕事を断れずに残業することとなり、
すっかりくたびれてしまった…など。
こんなことは日常の中に数多く在ると思います。
小さな葛藤は、その後も数日間に渡って心に引っかかるということはなく、
自然に忘れてしまうことがほとんどでしょう。
それに対して、人生そのものや、大切にしている信念、
大切な相手に関わる重いテーマについて、
どうにも解消できない葛藤を抱えてしまうことがあります。
本当はこうしたいが、現実にはどうしてもそうするわけにはいかない…
私も経験がありますが、それはきわめて辛く苦しい状況です。
生きていれば、思い通りにいくことばかりではないと分かっていても、
そのことが自分にとって重要であればあるほど、
妥協すること、譲歩せざるを得ないことが、苦悩を生み出し、消耗させるのです。
こうした葛藤を、どうしたらよいのでしょうか?
いちばん良いのは、葛藤そのものが無くなること、
葛藤から自由になることですが、それほど簡単にはいきません。
考えてみれば、私たちは、
ささやかな葛藤から、どう生きるかということに関わる壮大な葛藤まで。
幾多の葛藤を抱えた状態で、それでも日々を何とか過ごし、
奮闘を続けているのだと思います。
葛藤は無い方がよいことは、おそらく誰も否定しないでしょう。
二極に分裂した想念、引き裂かれる思いは、閉塞感や停滞につながり、
生命エネルギーを次第に弱めていき、
心を病み、身体機能を損なうことすらあります。
ヒプノセラピーや前世療法、多次元セラピーのセッションに
お越しくださるクライアントの方は、
こうした苦しい思いから、何とかして自由になり、
楽になりたいとお考えです。
セラピストとしては、まずは事前カウンセリングにおいて、
じっくりとお話をお聴きして、出来る限りのよりよい着地点を
見出せるようなヒントを見出せないものかと
ご一緒に探るお手伝いをさせていただきます。
けれども、たとえば、Aという道筋とBという道筋があり、
何としても調和や妥協、譲歩、選択が困難であることは
これまでのセッションで何度もありました。
ここで、念のために申し上げておきますと、
前世療法やヒプノセラピー、多次元セラピーのセッションをしたら、
たちまち解決方法が見つかり、心が解放されると思われることがあるのですが、
セラピーやヒーリングは、魔法ではありません。
セッションをさせていただくことで、
潜在意識下に在る本当の思いや願望、表面化していない潜在的な葛藤に
気付いていただくことは出来ても、
そこから具体的な選択や行動を起こして、
現実に折り合いをつける必要があります。
途方もない葛藤があり、どこにも解決を見出せない時は、
それを抱えたまま、前に進んでいくほかはないでしょう。
生きるということは、人間社会や人生、家族関係の中に在るさまざまな葛藤を、
体験することでもあると考えられるからです。
よりトランスパーソナルな観点に立つならば、
魂は、生まれてくる前に、人生の計画や目的を定めてくると言われますので、
葛藤を体験することも、計画のうちである可能性があるでしょう。
そうなると、前世療法、ヒプノセラピー、多次元セラピーの役割は、
いったい何であるか? ということになります。
葛藤が生きることと切り離せないテーマや課題であるならば、
まずはそのことに気付くことが大切です。
その葛藤が、どのような葛藤であるのかを明晰に分かること、
その葛藤を、錯覚や自分のものではない信念と区別して
「しっかりと」持つことが出来るようになることを、
前世療法、ヒプノセラピー、多次元セラピーは目指し、
お手伝いすることが出来ます。
というのは、「これが自分の葛藤であり、悩みです…」と考えていても、
実のところ、その深層には、それとつながっているものの、
もう一つ別の葛藤が潜んでいることがあるのです。
ヒプノセラピーには、サブパーソナリティ(副人格)と対話をして、
本当の気持ちや想念と向かい合い、理解し合い、
自我と副人格の統合を目指すセッションがありますが、
サブパーソナリティのセッションをさせていただいていると、
重要な問題であるほど、自我にとっての盲点や認めたくない点、
シャドウなどに気付けないことが多いのです。
本当は何を求めているのか、なぜその問題が葛藤を起こしているのか、
理解していることで、本来あってよい葛藤を
しっかりと持つ状態になれるでしょう。
また、これは前世療法ならではのメリットになりますが、
どれほど苦しい葛藤であっても、葛藤そのものが、
魂が立てた人生の計画であるとわかる場合があります。
たとえば、絵を描くことが好きで芸術の道に進みたいけれど、
家業であるお商売を継がなくてはならない時、
何のために生まれてきたのかを探求する前世療法を受けられると、
絵を描くことは趣味で良かった…とか、
絵を描くことこそ、本当に求めていることだとわかった…とか、
人生の計画の中で、前半生は絵を描き、後半生はビジネスをしたかった…
などということを、気付きや洞察として受け取ることが出来るでしょう。
その方にとっての真実である、本来あってよい葛藤を、
明晰にわかり、しっかりと持ち直すのです。
そうしたからといって、その葛藤が軽くなったり、
消失したりするわけではありませんが、
現実の生活や周囲の人間関係の中で、ご自分を見失うことなく、
本当は絵を描きたいが今はビジネスを選択していると
ご自分の意思で、あらためて能動的に選び取ることが出来るでしょう。
ご自分を無力な存在であるとか、
どうしようもない流れに翻弄されているのだとか思う必要はなくなり、
人生を呪うことは間違いであり無用であると気付かれ、
恨み、情けない気持ち、セルフジャッジメント、自己嫌悪などから
解放されるのではないでしょうか?
葛藤は、それがあるために人生が失敗してしまったというものではありません。
葛藤を持ち続けながら、それでもよりよい日々、よりよい人生のために、
少しでも前向きに、楽しく生きていかれるように、
癒すことが出来ます。
前世療法で人生の計画をトランスパーソナルに探求する 葛藤からの解放へ
2017年02月22日