前世・過去生の発見から、心の深層の探求へ
前世・過去生というものが、
どのようにして発見( ? )され、
人々の関心を集めるようになったのか…
ということを考えてみることがあります。
前世や過去生のイメージ世界は、
おそらく直感やフィーリングによって
とらえられるものだと思いますので、
夢や白昼夢などに現れてきたのかもしれません。
あるいは今生や現在の何かに関連して、
「知っている」「覚えがある」という感覚が、
不意に湧き起こってきたのかもしれません。
現在と関連して…ということは、
今生と前世・過去生とのつながりを意味しているようです。
そのつながりがあるからこそ、
私たちは遠い過去の転生をリアルなものとして感じることも出来ますし、
興味や関心を向けて、探求してみたいと思うのでしょう。
それが現実に存在するのか、
または心の深層に在るイメージなのかについては
さまざまな考え方があるようです。
一度、前世療法や過去生回帰を体験されると、
否定しようのない独特の感触や現実味を
受け取られるようになるようです。
日常、よく見聞きしたり、
体験したりすることだと思うのですが、
過剰に反応してしまうということがあります。
何ということもない出来事や状況に対して、
突然、強い感情がこみ上げてきたり、
平静ではいられなくなることです。
ご本人にも、なぜこれほどまでに感情が動かされるのか、
悲しくもないのに涙があふれてくるのか、不思議に思われます。
理屈では解明することが困難な、何らかの要素やつながりが
そこにあると想像してみると、納得できます。
たとえば遊びに行っていた子どもが、
夕方、家に帰ってきた時、
家族が待っていてくれるはずの自宅が真っ暗で、
人の気配がないことに気付いたら、
その子どもにとっては、異常な事態が起こっていると感じられ、
不安や怖れ、淋しさなどを覚えるでしょう。
それはどんな子どもにとっても、
平静ではいられない状況でしょう。
けれども、そんなよくある反応を越えて、
激しく取り乱したり、パニックに陥ったり
トラウマとなったりするとしたら、
それは、その子どもにとって、
通常の意味を越えた何かの要素が
そこに関わっていると考えてみることが出来ます。
前世療法・過去生セラピーにおいては、
前世・過去生において、同じような体験をした際に、
癒されないまま持ち越された心の痛みや否定的な感情が
そうした過剰反応を引き起こしていると
考えてみることが出来るのです。
今生のこの出来事や状況に留まらず、
前世・過去生の、おそらくはいっそうインパクトのある体験が、
現在起こっている事態の奥に、見え隠れし、
ご本人にとっては、現在以上にリアルに体験されてしまうのです。
この例ほどの反応は生まない場合でも、
軽いデジャビュやシンクロニシティのように感じられることは
日常、経験されているのではないでしょうか?
旅先のある場所で、
ここを訪れたのは初めてではないという印象がやってきたり、
始めて出会ったような気がしない相手があったり…。
心の深い領域…潜在意識の奥にしまいこまれている記憶データが
浮上してくる瞬間です。
こうした直感、霊感は、
おそらく個人差があると思いますが、
どんな方にもあるものでしょう。
それを前世・過去生という名で呼ぶか否かはさておき、
私たちは、今、ここにだけ生きて生活をしているのではなく、
もっと繊細で、複雑かつ奥深い何かを併せ持つものであると
気付く機会となるのではないでしょうか?
この人生の向こう側に、
もう一つの人生がある(あったとしたら…)という見方は、
日頃意識されていない心の奥深さに、
目を向けることを助けてくれます。
それは、ご自分に対するより深い探求を促し、
これまでの世界観を、
大きく広げてくれるものとなるのではないでしょうか?
2014年11月17日