前世療法セッションとブロック・抵抗
前世療法は、ご興味のある方にとっては、
たいへん魅力的であり、心惹かれるものだと思います。
ご予約いただいた方は、
どのような前世・過去生へ行かれるのか、
ワクワクと楽しみにされて、
セッション当日には、大きな期待を持って
お越しになる場合がほとんどです。
前世・過去生への旅は、
前世療法セラピストである私にとっても、
いつも驚くような発見や気付きがありますので、
同じ気持ちを共有させていただいています。
初めて前世療法を体験される方であっても、
たいていはスムーズに催眠状態となり、
潜在意識からのイメージを次々に受け取られています。
…とはいえ、前世療法を心待ちにしていたはずなのに、
実際にセッションが始まってみると、
なぜか入っていかれない、イメージが出てこない…ということも、
稀にはあるのです。
それは、初めての方であっても、
過去に前世・過去生を訪れたことのある方であっても、
起こり得ることです。
どうしてこんなことになってしまうのでしょうか?
原因は幾つかあります。
1 まずは、気がかりなことや現実的な心配があり、
それらがストレスを生み出している場合です。
たとえばご家族が危篤状態であるとか、
帰宅する約束の時間に間に合わない…などが
気にかかって集中出来なくなる場合があります。
また、前世療法のことを知られたら、
家族やパートナーさんにどう思われるか?
前世療法を体験することで、自分が変わってしまうのではないか?…と、
近い将来のことを心配され、不安にかられてしまうこともあるようです。
前世・過去生、輪廻といったことは、
万人に受け入れられているものではありませんので、
周囲からの理解が得られない場合、気後れして
消極的になってしまうことがあるでしょう。
2 次は、見たくない気持ち、疑う気持ちがある場合です。
顕在意識(通常の意識の状態)では、好奇心があり、
心から前世へ行きたいと思っていても、
心のどこかに潜む、見たくない気持ちや疑う気持ちが
セッションの妨げとなることがあります。
人の心は複雑なもの、プラスの感情の裏側には、
必ずマイナスの感情も存在しているものなのです。
特に救いのない不幸な前世や、
悪事をはたらいて大勢の人々を不幸に陥れた前世は、
好んで見たいとは思う人はあまりいないでしょう。
3 解決や改善を望まない場合があります。
さしあたって問題やお悩みはなく、
シンプルに前世・過去生を探求してみたいという場合ではなく、
何か問題の解決や改善をテーマとして、
前世療法をさせていただくことがあります。
この場合、心の深層に、その問題を解決したくない、
手放したくない気持ちがはたらいて、進行を阻むことがあります。
解決を求める気持ちと裏腹に、葛藤や迷いもあり、
変化していくことを恐れてしまうのです。
3 セラピストとの相性、
誘導の声やセッションルームの雰囲気など。
あまり言われていないことなのですが、
前世療法やヒプノセラピーにおいては、
セラピストとの相性も見過ごせない要素となります。
言葉による誘導で催眠に入っていくため、
声の質や、言葉のセンスなどに違和感があると、
潜在意識に暗示誘導が浸透しにくくなります。
またセッションルームの雰囲気なども、
個性的過ぎる空間や、清潔感のないお部屋などは、
受け入れられないということもあるかもしれません。
誰にでも、好みというものがあり、
それらも、セッションとは無関係ではないのです。
4 想像していたとおりではないと感じた場合
初めての方は、インターネット上で情報を集め、
催眠とはこんな感じ、前世イメージはきっとこんな感じ‥と
あらかじめ想像して、それにとらわれてしまうことがあります。
当日、実際に前世療法セッションが始まると、
想像していたのとはかけ離れたイメージや感触に驚いたり、
失望したりしてしまうことになるかもしれません。
前世・過去生のイメージの受け取り方には、個人差があります。
また視覚、聴覚、体感覚などによる受け取り方の違いもあります。
現れてきたイメージが、期待していたよりも曖昧で漠然としていた場合、
こんなはずではない、これは違う…と否定したくなってしまうのです。
もっと鮮明な映像や、もっとはっきりとした展開を求める気持ちが強いと
そうなっていないことが腹立たしく感じられてしまうでしょう。
セッションの冒頭のところで、
何がどのように現れても、それを受け入れ、認めるお気持ちを持つことが出来ると、
現れるイメージは、次第にはっきりとしたものに変わっていくものです。
元々、何にでも完璧を求める傾向がある場合、
前世療法においてもストレスを生むことになってしまうでしょう。
5 ご自分の状態をジャッジしてしまう場合
さまざまな理由から、日常、ご自分の言動を振り返って
チェックしたり、ジャッジをしたりすることが、
パターンとなっている場合があります。
たとえば、誘導の際、「美しくて広い砂浜にいます…」という言葉を聞いて、
そんな砂浜が想像できない場合、
こんなことではダメだ…という思いがすぐさま起こり、
気持ちがくじかれてしまうようなことです。
いろいろなことに対して、自己否定的な評価を下し、
前世・過去生など見えるはずがない…とまで思って
悲観し落ち込んでしまうのです。
1~3 については、努力によって乗り越えることは困難であるかもかもしれませんが、
4と5 については、ちょっとした心がけやコツがあります。
まず、先入観や強い期待を持たずに、
そしてあまり多種多様な情報を集め過ぎずに、
好奇心をもって、臨んでいただければと思います。
前世療法は、その方によって、体験の仕方が異なるものですので、
誰か別の方が報告していることが、その方に当てはまるとは限りません。
夢を見ているような感じ‥という方もあれば、
はっきりと現在の感覚が残っているままだった…という方もあり、
前世イメージの中に深く浸り、
後で客観的に振り返るのが難しい方もあります。
最初のうち、イメージが曖昧であったり、
誘導のとおりにイメージが浮かんでこなかったりしても、
とりあえず、そうなっていると感じてみましょう。
潜在意識から現れるイメージは、
特に、視覚タイプではなく、体感覚優位の場合、
非常に漠然としているものです。
半信半疑ながらも、ご自分を信頼し、
またそのイメージを信頼して、それを追っていくうちに、
だんだんと流れに乗って、イメージも湧いてくるようになり、
同時に、イメージを受け取ること自体にもなじんで、
楽々と受け取れるようになっていきます。
2015年08月01日